女体

増村保造『女体』。


えらいタイトルのうえ、冒頭から浅丘ルリ子が悶えている。股を机に押しつける。机を噛む。机にかかと落とし。何が始まるんだここから。


岡田英次の無表情とルリ子のハイテンションでごりごり押すのはさすがに増村、しかし無表情とハイテンションが、それぞれのかなしみのかたちであり、その二つのかなしみは決してお互いに補完しあうことはないのだ、ということがわかってくる。


「俺は仕事を捨ててオスになったんだ」


一度は言ってみたいが、うかつに言えない台詞である。