RED



本日は15時間寝てしまい、イーストウッド先生の初日を見逃すという大失態。
焼きが回ったか。


『RED』(ロベルト・シュヴェンケ)。


とくに突き抜けているところがあるわけでもなく、「引退した老人」がネタとは言え「老いた肉体」にフォーカスが当てられるわけでもないが、ブルース・ウィリスモーガン・フリーマンジョン・マルコヴィッチヘレン・ミレンに90歳を越えたアーネスト・ボーグナイン老まで登場させて、軽妙で豪華。知らない監督……と思っていたら、『フライトプラン』の人でしたか。失礼しました。


見たのは先週なのだけど、既にだいぶ忘れている、というくらいの、何が印象に残るわけでもないけれど「ああ楽しかった」という感触だけは確かに残っているし、ブルース・ウィリスが惚れる年金係窓口の女性の目元の小皺は確かに覚えている。あの女性が無名で若くもないのがいい。マンゴールド『ナイト&デイ』のキャメロン・ディアスの「頑張ってコメディエンヌやってます」感よりよほどよかった。マルコヴィッチの偏執狂キャラといいヘレン・ミレンの凜としてるけど乙女、な役どころといい、モーガン・フリーマンがあっさりいなくなること(冒頭で既に予告されてはいるけれど、あんなにあっさり、引き一発でやってしまうとは!)といい、まことに粋。大興奮!というわけでもなく普通に面白い、しかし傑作でも何でもないこういう映画を出してくるアメリカはやはり凄いの一言に尽きる。本来、フジテレビ東宝系の映画がこのくらいできているべきなんやけどねえ。


おそらく、ボーグナイン老が守っている倉庫には、過去のアクション映画の記録が眠っているのだろう。ボーグナイン老を見て、ちょっと泣きそうになりました。だいぶ前だが、『セプテンバー11』のショーン・ペン篇のボーグナイン老もよかった。まだまだ長生きしてください、ミスター。