Multilevel Holarchy(EP-4再び)


久方の休日、浅川マキとちあきなおみばかり聴いて過ごしておりました。(浅川マキさん、廃盤ものの再発が出るようです
それとEP-4


『Multilevel Holarchy』はEP-4、1980年〜83年のライブ音源のコラージュ盤。


断片がぶっきらぼうに繋ぎ合わされたこのアルバムを聴いていると、当時のEP-4がいかにキレていたかという、その空気の片鱗のみを窺うことができる。現在CDで聴くことのできるEP-4アルバムの中では、このアルバムが最もシャープで、勢いがある。ファンキーにうねる鉄壁のリズム隊、切り裂くギター。暴れながらもクールなノイズとキーボード。セカンドまでのPILが、よりノイズ/ダンスに接近したような音といえばよいか。パンクでありファンクであり、ノイズでありダンス。当時、この勢いをがっつりとアルバムに残してくれていたらと残念に思いもするが、まあラリーズをはじめとして、アングラとはそういうものなのだろう。そういう意味では、映画は作品を形にしないと人目に晒せない。アングラ音楽は演劇に近づくということか。


どこかに依ることだけはするまいという生真面目な(照れ含みの)硬さが、EP-4の音にはある。常に醒めている冷ややかさ。アルバムに『昭和大赦』という不敬タイトルをつけはしても、後に首魁の佐藤薫はバブルに乗ってwaveレーベルの立ち上げに関わっていたりと、節操がない。パンクでもファンクでもノイズでもダンスでもあり、同時にそのすべてを冷ややかに見ているような硬い音が断片的に響くこのアルバムは、文句なく格好いい。